お知らせ

65歳からの住環境の整え方

何歳から高齢者?

高齢世代に片付けが必要な理由は、65歳を境に住宅内の事故率が高くなるからです。
少し話はそれますが、そもそも高齢者の年齢定義はどうなっているのでしょう?
実は明確な定義はなく、国連では60歳以上、WHOでは65歳以上、日本では65歳~74歳を前期高齢者、75歳以降を後期高齢者と位置付けています。
日本老年学会・日本老年医学会は合同で高齢者は75歳からと提言しているなど、高齢者の定義には様々な考え方があるようです。
しかし、昨年俄かに高齢者が65歳と認識させられる出来事がありました。
誰もがご存じのようにコロナワクチン接種の優先順位に高齢者が掲げられたことです。
個人的な感想になりますが、その高齢者が65歳以上を示すと知ったとき、遠い未来のことではなく、自分がすでにカウントダウンに入っていることを知り、愕然としました。
まだまだ先のことと思っていた「高齢者」のキーワードは目前だったのです。
コロナ関連ニュースで「65歳以上の高齢者」と耳にするたび、現実を認めたくはないですが我が身のことと置き換えるようになりました。

実年齢には関係ない??

近年では実年齢に関係なく元気に活動されているアクティブシニアと呼ばれる方々が増えていますし、65歳以上を一律高齢者と見る一般的な傾向は現実的ではないと思います。
しかし、ここで筋肉量の面から考察してみたいと思います。
余談ですが、今年はオリンピックイヤーでしたね。
私は若い選手の筋肉美にも目を奪われました。
スポーツ選手の加齢によるパフォーマンスの低下はご承知の通り、人は年齢を重ねるにつれ筋肉量は低下します。
個人差はありますが、20代をピークに徐々に減少し、40代から減り幅が増え、60代以降は急下降します。
落ちるのは筋肉量だけではなく、筋肉の質も低下しているそうです。
これが、高齢者の活動能力低下の原因に繋がっているのです。
つまずいたり、ふらついて転倒し大怪我につながる、嚙む力と飲み込む力が弱まり窒息事故が増えていくのはこのためです。

高齢者の不慮の事故で多いのは

高齢者の不慮の事故と聞くと、どこで起きると思われるでしょうか? 事故と聞いて思い浮かぶのは、交通事故を想定されるかもしれませんが、2018年9月2日の消費者庁発表のデータによると、実は「交通事故」よりも多いのが、三大事故と呼ばれる「誤嚥等の不慮の窒息」「転倒・転落」「不慮の溺死及び溺水」です。
いずれの事故も年代が上がるにつれて死亡者数は増えており、特に「転落・転倒」事故については75歳以降、5歳年齢が上がるごとに人口10万人当たりの死亡者数がほぼ倍増する傾向にあります。
死亡に至らないまでも高齢者の救急搬送された事故のうち、「転倒・転落」がもっとも多く、全体の約8割を占め、発生場所も「住宅等居住場所」がもっとも多くなっています。
住宅内事故の発生場所を細かく見ていくと、半数以上が居室(リビング)で起き、次に階段、廊下、玄関、ベッドと続きます。

事故は未然に防ぐ

ここで考えないといけないことは、未然に防げる事故は自分の手で防いでおきましょうということです。
75歳以降に不慮の事故の死亡者数が上がることを鑑みても、少なくとも75歳までには住環境を整えておくことが大切です。
では、高齢者の転倒・転落事故はどのようなところで起きていて、それをどのように整えるとよいのか具体的にみていきましょう。

リビング・寝室

  • 電気コードにつまずく→コードの配線は歩く動線を避ける
  • 部屋と廊下の段差につまずく→段差解消スロープを使用する
  • カーペットにつまずく→カーペットは使用しない、または端を留める
  • 布団につまづく→ベッドを使用する
  • ベッドから転落→ベッドガードを使用する

台所

  • キッチンマットにつまづく→引っ掛かりやすいキッチンマットは使用しない
  • 高いところの荷物を取るとき踏み台から転落→高いところに荷物を置かない

階段・廊下・玄関

  • 階段を踏み外し転倒→手すりを付ける、滑り止めを付ける、足元ランプを付ける
  • スリッパを履いて滑って転倒→滑りやすいスリッパは避ける
  • 玄関で靴を脱ぐ際に転倒→手すりや椅子を使用する

転倒・転落は骨折や頭部外傷等の重大な傷害を招く恐れがあり、それが原因で介護が必要になる状態になるケースもあるため、特に注意が必要です。
事故の原因となるものを減らし、安全な動線確保のためにできることをやっておきましょう。
例えば、階段や廊下に物を置かない、ひざ下の高さには物を置かない、足元が滑りやすいものは避けるか滑らないように留める、床に新聞紙やチラシを置かない、日頃使うものが高いところにある場合は手の届きやすいところに移動する、重たい掃除機は軽いものに変えるなど、高齢者の住環境の見直しをしましょう。
たとえ自分が歩き慣れている家の中であっても、使い慣れている物だとしても、体力面の小さな変化を見逃さないよう、日頃の身体の状態を正しく認識することも大切です。

政府の取り組み

2015年9月ニューヨークの国連本部でSDGsが採択されました。
17の目標のうち、目標3に「すべての人に健康と福祉を」があります。
SDGs目標3における日本の優先課題は「健康寿命を延ばすこと」で、厚生労働省は2040年までに健康寿命を3年延ばすことを目標に掲げています。
なぜなら健康寿命が延びると本人の生活の質(QOL)の向上はもとより、地域の活性化につながり、結果的に医療・介護費用の増加を抑えることができると期待されているからです。
政府は健康寿命延伸プランで多岐にわたり具体的な取り組み方法を掲げています。
その中には住宅政策(住まいを通じた介護予防・健康寿命の延伸)も盛り込まれ、「高齢期を健康で快適に過ごすために、早めに住まいを改修することのメリットや改修の際に配慮すべきポイントを取りまとめたガイドライン(国土交通省)について、国土交通省と連携して、地域包括支援センターやケアマネジャー等への周知・普及を図る。」というものがあります。
政府は様々な方面から健康寿命の延伸に取り組んでいます。

万一事故が起きたときは

万が一、事故が起きたときの対処法も事前に確認しておきましょう。
明らかに異常がある場合は迷わず119番で救急車を呼びますが、救急車を呼ぶか迷った場合はかかりつけ医に連絡を取るか、#7119の救急電話相談でアドバイスを受けましょう。
また、全国版救急受診アプリ「Q助」もあります。
本アプリはWeb、スマートフォンで利用できる医療機関(隣県の情報も閲覧できるように、厚生労働省の「医療情報ネット」にリンク)や受診手段(一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会の「全国タクシーガイド」にリンク)など、緊急度に応じた必要な情報が表示されるシステムです。

トランスフォーマーなら

10月10日は転倒予防の日。
コロナ禍で外出の機会が減り、家の中で過ごす時間が増えた今、転倒予防のため、高齢者こそより一層家の整理整頓が重要になってくるとわたくし達は考えます。
これからは安心安全な住空間を目指しましょう。
面倒なお片付けはお任せください。
重たいものを移動したり、一つひとつ分別される必要はありません。
お客様にご負担をかけることなく、そのまま要らないものは回収します。
「いつか片付けよう」と思われていたことを、わたくし達が今すぐお手伝いさせていただきます。
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